ビジョン百科

Vision Encyclopedia

一人ひとりの可能性に注目。それが「バカ者採用」。

株式会社サンケイエンジニアリング 代表取締役社長

笠原 久芳さま

コンタクトプローブ――自動車や飛行機、ロケットにつかわれる部品を測定する製品――を製造・販売する。「バカ者採用」という一風変わった採用コンセプトでも注目を集める。

Shering Possibilities

つくっている製品自体は一見地味かもしれませんが、サンケイエンジニアリングさんの採用活動はインパクト大。その名も「バカ者採用」。この一風変わった採用活動が生まれた経緯や、具体的にどのような採用方法なのかについて、お話を伺いました。

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採用方針なし。結果、みんな辞めていった。

自社生産を開始した20年くらい前は、年間20~30名ほどを採用していました。でも、そのほとんどが定着することなく、辞めていきました。仕事がきつかったからです。20人に1人くらいしか残っていません。当時は採用の判断基準や軸というものがなかったんですね。結果的に、来る人拒まず、去る人追わずになっていました。こうした状況を反省し、策定した理念がShering Possibilities。つまり、「可能性の共有と実現」です。1人ひとり可能性を持っている。ポテンシャルを秘めている。応募者本人でさえ気づいてないような可能性を見出し、見極めることが重要だと考えたのです。そして、入社後にはその可能性を伸ばしてやることも忘れてはいけません。

熱中しすぎてまわりから浮いちゃうひと、大歓迎。

当社は、採用の基準がふつうの会社とは違います。題して「バカ者採用」。会社で働いてると、自分で制約を設けてしまうひとがたくさんいます。制約を設けなくてもいいとこで。そういう余計なリミッターを外しちゃって、一回バカになってとことんやってみなよ、というメッセージです。何かに熱中する余り、まわりから浮いてしまった。そんな経験のあるひとが、求める人材ですね。ひとつのことに対して、バカみたいに一生懸命なひとって時々いますが、そういうイメージです。最初に会社見学会に来てもらいますが、そこで会社としては何も隠し事をしません。まずすべて見せてしまう。そのうえで学生に、この会社でやっていけそうか判断してもらいます。

世界一のゲーマー。そんな学生も採用してきました。

バカ者採用に応募してくるひととは、話していておもしろいですね。こちらの考えに興味をもってくれたひと、自分で行動を起こしてくれたひとだから。海外からわざわざ応募してくる人もいます。今までの採用とは間口が全然変わったことを実感しますね。ゲームの世界大会で一位になったことのある学生とかもいます。ひたすらゲームの前で勝ち続ければ世界一になれるわけですが、そんなの、はたからみたらバカですよね。他にも、変わった子が多いです。ぼく、物理だけは自信あるんです。他はなんにもできないけど、それでもいいですか?とか。バカ者採用を始めてから、ミスマッチがなくなり、今ではほとんど辞める人がいません。