ビジョン百科

Vision Encyclopedia

よきデザインが、よき仕事とは限らない。

株式会社アーキダム 代表取締役社長

川村 剛朗さま

マンションや商業施設、オフィスビルを中心に、様々な建物をつくる建築設計事務所。デザインや技術だけでなく、マネジメントという点でも、クライアントからの信頼を集める。

笑顔の波紋を拡げられる企業を目指す

依頼主から何を求められているかを的確に吸い上げ、カタチにする。それが建築設計という仕事。そうおっしゃる川村さんが社内に浸透させたかったのが、マネジメント意識。デザインや技術が独り善がりにならないよう、ビジョンを策定されたのだそうです。

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設計する際の意識を、ひとつに統一したかった。

建築設計者は、デザインに重きをおく人と、技術に重きをおく人に分ける事が出来ます。当社が先ず重きをおくのは、技術です。その上にデザインをのせます。我々が手がけるのは、マンションやオフィスビルといった、デザイン性よりも経済性・安全性・機能性などが重要な建物だからです。しかし以前は、この認識が社内で共有されていませんでした。スタッフはみな設計者ですが、個人商店の集まりという感じで、バラバラだった。それぞれの得意な分野で、得意な建物をつくっていた。これではマズイということで、ビジョンを策定したわけです。デザインや技術にこだわるあまり、コストやニーズを犠牲にしてはならない。本当の意味で、お客さまを笑顔にしよう。そんな想いを、社員全員の約束事にしたのです。

マネジメントを重視する。みんなを、笑顔にしたいから。

具体的な施策として、会計をオープンにしました。一般的に、所長と一部の経理担当しか知らないお金の話を、社員と共有することにしたのです。この物件の売上げはいくらで、原価はいくらなのか。これを視える化しました。設計事務所には設計が好きな人が集まる。自然と、お金のことを考えずに、自分の好きな設計に没頭してしまう。結果、建築費は増大し
設計料も枯渇する。このサイクルに歯止めをかけるのが、会計を共有する目的です。良い建築設計をすることはもちろんですが、その建築事業が皆を喜ばすことができなくては意味がない。このことを常に意識してもらうためのチェック機能なのです。

笑顔は、インナーコミュニケーションから。

当社のビジョンでいうところの「笑顔」は、社員の笑顔も含みます。いい仕事をするうえで、社内の空気=笑顔はとても大事です。とはいえ、建築設計はパソコンと向き合ってる時間が長い仕事。そこで、インナーコミュニケーションの活性化を図るべく、ゲーム形式の研修を行うことにしました。自主的にやる人はなかなかいないけど、お願いすれば社員はみな参加してくれます。忙しくても手を止めて。この取り組みにより、社員間のコミュニケーションは以前よりも活発になり、社内の空気が良くなったと思います。最後に、人財について。当社は、単に良いデザインの建物を設計する会社ではありません。依頼主から何を求められているかをうまく吸い上げ、カタチにする仕事です。そのことを意識できる人、つまりビジョンに共感できる人といっしょに働きたいですね。